しっかりしてくれ小学館、と狐が鳴いた

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昨今、なにかと倫理的にアウトな状況を構成する機会が増えている小学館であるが、いわずとしれた老舗の大版元で、たくさんの魅力ある作品を世に送り出してきたことに違いはない。私といえば、藤子不二雄作品などはここを通さないで読まないことはできなかったし、以前はビッグコミック系の作品もたくさん読んでいた。

いまでもビッグコミック系の作品を読むことはあるが(『ラーメン再遊記』がパッと思いついたが、ほかにもあるはずだね)、デジタル化の具合がよくわかっておらず、以前よりは手が伸びない状態になっている(多分「ビッコミ」で賄えるのだろうけど、仕組みまわりをフォローするのがめんどくさいし、以前試みたときに失敗している)。

ということで、今回は「さんでーうぇぶり」で追っている作品を確認してみた。そんなに点数は無いだろうと思ったが、数えてみると、10作品くらいはある。割とあった。というわけで、愚痴だけの投稿にしてもしょうがないので、誰のためにもならないだろうが、リストアップしておく。

『となりの席のヤツがそういう目で見てくる』

(女たらしっぽい見た目の)イケメン純情男子(このテンプレートはいつからあるっけね)が、それは魅力的な眼鏡女子と際どいやり取りをするコメディ、あるいはラブコメか。そこそこ際どい描写も多いが、純情は純情なのである。基本は男子のほうがウケなのだが、まぁ、人間関係はバランスだ。

『ロードマギアの弟子』

『ダーウィンズゲーム』の作者(FLIPFLOPs)が送る魔法と剣のファンタジー、というと、近年ありがちなフォーマットという印象だし、この感覚は的外れではないだろうが、やはりといっていいか、前作同様の絶妙な設定、世界観とバランス感覚がある(といっても、前作は途中で離脱しましたが、私は)。

作者さんが原作と作画による兄弟(?)のユニットとは知らなかったなぁ。ところで、『望まぬ不死の冒険者』のコミカライズの作画さん(中曽根ハイジ)と絵柄というか描き方が微妙に似ている気がするんだけど、影響関係とかあるのかね。

『問題だらけの魔法使い』

『湯神くんには友達がいない』の佐倉準プレゼンツ、よくわからないクイズファンタジー作品である。連載開始までに前作から時間が経っていたし、もう描かないのかなと想像してたので復活して驚いたし、単純にうれしかった。掲載ペースや今作の絵作りからして兼業なのかなと勝手に想像するところだが、しかし、あいかわらずの独特なキャラクター観がある人ですね。

『尾守つみきと奇日常。』

ケモノ、亜人系作品もマイナージャンルでも無くなってきたが(現代マンガ初期からあったといえばそう)、本作は、そこはマジメな高校生活にフィーチャーしている。サンデーっぽいというか。まぁ、ラブコメなんですね。進展しないタイプ(日常系)かと思っていたが、そうでもないかもしれない。行けるところまでいってほしい。

『界変の魔法使い』

田辺イエロウ先生じゃないですか。『結界師』の終盤で私は離脱してしまいましたが、あとから読んでみて、なかなか渋いけど嫌いじゃないエンディングだとは思ったが、少年誌向けの展開でもないな、ともなりました。今作も絶妙に渋いし、直近の展開、これまた渋い。主人公があんまり要らない感じになるんだよね、良くも悪くも。

『葬送のフリーレン』

説明するまでもない作品となってしまったが、本作の魅力って、サンデーっぽいストーリーテリングだとは思っていて(それさえ言えばなんでも済むと思っている)、説明しない部分の空気感があだち充というか、恋愛マンガかそれに近い技法なんじゃないかと考える。アニメは、それに魔法ファンタジーっぽい動きを加味して、それはそれで成功したね。凄いね。

直近の展開が原作者さんの狙いどおりなのか、誤算があったのかはわからないが、着地点は決まっているとは思うので、もうぶっ飛ばして着陸しても誰も怒らないのではないかとも思う。作品がおもしろく続きに越したことはないが。

『ふたりバス』

田舎のバス路線は、少ない乗客となる同窓生の男女2名。やはり数少ない他の同窓生たちとは別の進学先を選んだ女子、彼女とコミュニケーションを重ねる男子が織りなすラブコメ、ラブコメだな? シチュエーションがおもしろいので、どう展開するのかが興味あるが、実際にこういうこともあるのだろうな?

実際に似たようなシチュエーションがあったという読者もいるのかね。もどかしい生活になってしまうのだが、それもまた青春といったところか。

『みずぽろ』

水球を題材にしたマンガ、アニメはいくつかあろうが、今作もそのひとつだろう。コメディ半分、マジメ半分というところだけど、そのバランスが好みである。男子も女子もムキムキでよい。そういう意味では、今回、並べたなかでは身体性を意識しやすい作品だ。だから何だと言われると困るが、人体は美しいのだ。

『龍と苺』

もう何をしたいのかわからないが、作者に試みがあることはわかる。一方で、AI将棋の進化をYouTubeで割と眺めている身としては、益々不可思議な感触になってくる。が、視点を変えてみると、昨今の生成AIの興隆まで含めて、身近なAIに取り組んでいるマンガ作品って、実は現行では本作がNo.1だったりしないか?

もちろん、異論は私のなかにもある。

『東大の三姉妹』

磯谷友紀の1番売れている作品というと、『ながたんと青と-いちかの料理帖』なのだろうか。なにかと多作な方である。数えてみると、単行本になっている作品の半分くらいは読んでいる。今作の題材もスゴい切り込み方だ。より具体的には『ゲッサン』の掲載作ということなので、青年・女性向けかなと思うが、どこまで描かれるのか。

『COSMOS』

『べるぜバブ』で有名な田村隆平は、集英社で20年くらい描いていたようだが、本作は満を持しての(?)『月刊サンデーGX』掲載(2023年~)ということで、文句なしに面白いし、最新の展開も熱い。

『レジスタ!』

こちらも『ゲッサン』掲載作ということで、作者の造る作品観もなんとなく知っているので、はかなげな方向への不安もあるものの、一般誌でどういう落としどころを用意してくれるのか気になるところである。現状は可もなく不可もなく、さすがに絵が上手い。


というわけで、最後に今回の騒動について、個人的な感触だけ残しておくけど、マンガワン編集部が悪いということでもなさそうなのに、この媒体がやたらとフィーチャーされているのは何故なのか。もちろんそこにも責任は生ずるだろうが、どう考えても小学館の体制の問題だろう。この名前を冠して、子供たちを相手にする仕事をしていて、よくも本件のような事態を隠蔽あるいは悪化させるような方向に向くのか、理解に苦しむ。

すでに行き過ぎた正義やポリコレ()が逆噴射することを危惧する声もあるし、そのような事態も多からず起きてはいるようだが、そうはいっても声を上げて行動できる人には何かしらしてもらいたいというのが本音である。想定される二次被害がどの程度のものなのか、本来救われるべきは誰なのか、それだけでしょう。

私はほかの作品を楽しんでそれで穴埋めできる。残念でもあるが、そういう立場だ。