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サクサク進むよ|『オーレ殺人事件』

北欧ノワール『オーレ殺人事件』。雪景色は荒くも美しく、事件はほどよくしょうもなく、人間関係はほどほどに。全5話でサクサク楽しめる。レクサスは爆破できなかったっぽい。傷心休暇のハードワーカー、カーラの明日はどっちだ。

Netfilxで『オーレ殺人事件』を観る。はい、北欧ノワールに類されるスウェーデンを舞台とした作品である。シーズン1は全5話構成で、最初の事件に3話、2つ目の事件に2話を使う。短めで見やすい。こういう構成の方が視聴が増えるというデータでも揃っているのかなと思う。ちょいと昔までの作品は長すぎた。ちなみに、第2シーズンも決まっているらしい。

はじめの事件は吹雪のなか

ストックホルム警察署の家庭調査課だったかで働いていた主人公カーラ・セーンは署内でのトラブルと失恋のショックから、リゾート地オーレは姉夫婦の別荘(?)にて長期休暇をとることにした。

傷心を癒すべく滞在を開始した途端のこと、現地の家庭の少女が年越しパーティーの帰り道から行方不明になった。捜索に協力することにした彼女は、オーレ署でのひと月限定の助っ人要因となる。なんてったって、いわゆる刑事っぽいスタッフが1人しかいないので、署長も余裕で快諾する。

被害者の少女の参加したパーティーで生じた問題、父親の抱える問題、周辺その他の問題などがいい塩梅に絡んで謎を演出する。極寒の地域という舞台は『ウインド・リバー』を連想したが、あの作品ほど荒々しくは描かれてはいなかった。が、真っ白くて美しい、それでいて荒涼な風景はどんな光も闇も強くする雰囲気に溢れている。

景色の美しさや豪快さに反し、人間の起こす事件は私欲にまみれた騒動でしかないので、しょうもなく解決に向かっていくのだが、これがどうしてちょうどいいじゃないか。このところ連続して鑑賞してきた北欧ノワールのなかでも事件単体がそれとして解決するシンプルさも心地よい(複数の事件が絡み合うほどの複雑さはないという意味で)。人間関係の機微もそこそこに描かれてある。不満はない。

少し笑っちゃったのは、カーラが乗り回す車について、彼女は普段はレクサスのデカくてかっこいい車種を利用しているのだが、終盤の派手に車を扱わなきゃいけないシーンではまるで別の車を運転している。かなり古いセダン型の乗用車だ。本当の事情はわからないけれど、その車は爆発炎上する。さすがにレクサスは廃車にできないよなぁ、となったのであった。

第2の事件は愛憎のなか

第1の事件からの時間経過がわからない。最初の彼女の約束からすればひと月以内と考えるのが自然だろうが、それとも正式に異動した? ということもなさそうだけど、とにかくまだオーレにいる。カーラと相棒のダニエル、同部署の巡回中心ポリス2名の人柄や社会性の深掘りを進めつつ、新たな事件の解決に挑む。

最初のエピソードでもそうだったが、近年の刑事モノは主人公の欠落やミスが、扱う事件と通底するテーマとなっていることが多い。この役割が今回はカーラではなく、ダニエルと巡回ポリス1名に担わせられている。ダニエルは育児休暇のなかでの捜査、後者のポリス君は重要参考人と個人的な仲になってしまう。

ま、カーラ自身も異様なワーカーホリックなので(失恋を紛らわそうとしているわけだが)、それぞれの登場人物が個人的な問題を抱えていることに違いはないが。

本エピソードの事件は、クロスカントリーの有名競技者がバラバラの状態で発見された、さて、どこに問題が? であって、彼の事業関係者や友人、家族などの関係が解決への糸口として並べられていく。散りばめられた要素の組み合わせ方は、最初のエピソードよりも面白みがあった。

メインの事件とは別件として、神父によるDV事件が露見するのだが、これは家庭調査課の人間としてカーラはすぐに問題に気づき、スマートに解決への手続きを進める。子気味いい。そして、この神父がなかなか狂っており、『シャイニング』のオマージュかもしれないが、なかなかバイオレンスな展開を楽しませてくれた。

シーズン2の展望にに期待しつつ、オーレに居続けてもカーラ彼女本人にとって、いいことがあまりなさそうだなという不安が付きまとう。新キャラでテコ入れしようとしても破綻もしやすそうだが、原作があるということなので大崩れはしないかな?

北欧ノワール『オーレ殺人事件』。雪景色は荒くも美しく、事件はほどよくしょうもなく、人間関係はほどほどに。全5話でサクサク楽しめる。レクサスは爆破できなかったっぽい。傷心休暇のハードワーカー、カーラの明日はどっちだ。

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